長い冬の間に、アリたちが溜め込んだ食糧がとうとう底をついてしまった。巣の外へ出てみると、キリギリスの死体がみつかった。キリギリスのおかげで、アリたちは飢え死にせずにすんだ。
ホトトギスが鳴いていると、アリがこう言った。
「働きもせず鳴いているだけなんて、いい身分だね」
すると、ホトトギスはこう答えた。
「いい身分だなんて、とんでもない。鳴かないと信長に殺されてしまうのです」
ナイチンゲールが鳴いていると、ホトトギスがこう言った。
「あなたも信長に殺されないように鳴いているのですか?」
するとナイチンゲールはこう答えた。
「殺されるなんて、とんでもない。私は王様が死なないように鳴いているんです」
グンタイアリが通過すると、その後には王様の骨が残った。
ナイチンゲールはどこかへ逃げたようだ。
ナイチンゲールが鳴いていると、負傷兵がこう言った。
「鳴いてばかりいないで、早く治療してくれ」
するとナイチンゲールは負傷兵の傷口にくちばしを突っ込んで、弾丸を取り出した。
負傷兵が泣いていると、上官がこう言った。
「これくらいの傷で泣くんじゃない」
すると負傷兵は上官の立てた作戦に首を突っ込んで、ダメ出しをした。
グンタイアリが通過すると、その後には負傷兵と上官の骨が残った。
ナイチンゲールはどこかへ逃げたようだ。
ホトトギスが鳴いていると、ウグイスがこう言った。
「鳴いてばかりいないで、卵を温めろよ」
ウグイスが平安京で鳴いていると、エイリアンがやって来た。
ウグイス嬢が泣いていた。たぶん事情があったのだろうが、マイクは切っておいた方がいいと思う。
ホトトギスを鳴かせてやろうと、山猿があれこれと挑んでいた。
アリがナシにたかっていた。これってアリ、それともナシ?
アリクイとアリジゴクが睨み合っていた。双方、何もできず、勝負にならない。
アリがこう言った。
「さあ、立ち上がってかかって来い」
ミツバチが毎週泣いていた。脚が二本足りないのが、たぶん悲しかったのだろう。
ハチミツをクローバーにかけて食べる。これってアリ、それともナシ?
カレーをナシにつけて食べる。これってアリ、それともナン?
アリクイがバクにこう尋ねた。
「夢なんか食って、うまいのか?」
するとバクがこう答えた。
「頼むから、蟻を食ってる夢を見るのはもうやめてくれ」
その夜、アリクイは夢の中でバグを食っていた。
結局、虫じゃないかとバクは思った。
シロアリは、クロアリから届いた手紙をうっかり食べてしまった。
クロアリは、「何か用?」と訪ねて来たシロアリをうっかり食べてしまった。
すると、グンタイアリが通過して、後には何も残らなかった。
オウムが富士山麓で鳴いていると、機動隊がやって来た。
ナイチンゲールが泣いている横で、負傷兵がこう言った。
「ごめん」
たぶん情事があったのだろうが、マイクは切っておいた方がいいと思う。
どうやっても鳴かないホトトギスに、山猿が困り果てていた。そういう無理強いは、もうよした方がいいと思う。
ナイチンゲールがぐったりしている横で、アリクイが泣いていた。
「嘘つき」
たぶん何か行き違いがあったのだろうが、これ以上詳しいことは、もう語らない方がいいと思う。
作者が弱音を吐いた。
「この形式でひねったストーリを書くのは、もうこのへんが限界っす」
キリギリスが鳴いていると、マツムシとスズムシとクツワムシとウマオイがやって来て、セッションが始まった。演奏が終わると夜が明けていた。
「また来年もやろうな」
そう言い合って、彼らは去って行った。
※スケジュールの都合により、「地底の大王と底なしの穴」の続編「地底一族の陰謀」は、明日の18:30に公開します。

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