へそ曲がりの占い爺さん

 昔、へそ曲がりの占い爺さんがいた。めでたいことがあると不吉なことを言い、不幸なことがあると吉兆だなんて言うので、周りの人々には煙たがられていた。

 あるとき、爺さんが飼っていた馬が逃げ出した。人々が、さて爺さんは何と言うだろうと集まって噂していると、爺さんが出てきて、こう言った。
 「幸いなことが起こるに違いない」
 しかし、しばらく待っても馬は戻って来なかった。困った爺さんは、こっそり仙人に相談した。仙人は、ある絵描きを紹介してやった。

 ある日、絵描きのところに変な爺さんがやって来た。逃げた馬の絵を描いてくれという。絵描きは馬の特徴を聞きながら、筆を走らせた。完成した絵を渡すと、爺さんは困ったような顔をしている。
 「ああ、瞳がないのは気にせんでください。私が瞳を描くと、本物が飛び出してしまうのですよ」
 「わしは、その飛び出した馬が欲しいんです」

 爺さんが、絵の中から飛び出した馬を連れ帰ると、行方不明になっていた馬が戻っていた。人々が集まって、爺さんが何と言うかと待ち構えている。
 そこで、爺さんは言った。
 「これは災いになるに違いない」
 しかし、一向に不幸なことなど起こる気配もない。困り果てた爺さんは、馬を絵の中に戻そうとして目玉をくりぬいた。しかし、それは元々爺さんが飼っていた馬の方だった。

 もう少し待っていれば、そのうち良いことや悪いことが起きただろうに。一流の占い師は、決して余計なことをせず、何か起きてから「ほら、当たった」と言うものだ。

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このページは、かみ かずしげが2009年9月 9日 00:00に書いたブログ記事です。

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