昔、臆病者の兵士が二人いた。
あるとき、偵察を命じられた二人は、草むらの中をおっかなびっくり進んでいた。
いきなり前方から敵の兵士が現われた。驚いた二人は一目散に逃げ出した。一人は五十歩しか逃げなかったが、もう一人は百歩も逃げていた。五十歩逃げた兵士はそれを見て笑った。
「百歩も逃げるなんて、おまえは臆病なやつだな」
「おまえがのろまなだけだろ」
「顔に鼻くそが付いてるやつに言われたくないな」
「おまえだって、顔に目くそが付いてるくせに」
そんなことを言い合っていると、五十歩逃げた兵士の足元に何かが転がって来た。
「ん? 何だこれ?」
手榴弾だ。どかーん。
結論。もっと遠くまで逃げた方がよかった。


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