メアリーの書きかけの小説を読んだ夜、ジョナサンはなかなか眠れなかった。目を閉じてベッドに横たわっていると、何やら言い争っている女たちの声が聞こえた。
「何様のつもり?」
「ジョナサンの奥様よ」
ジョナサンには、その声の主が誰なのか分からない。
「へえ、そう…」
もう一人の女が笑った。やはり誰なのか分からない。
「何がおかしいのよ」
「彼の奥様だから、あんなに上手な“お話”が書けたわけ?」
ジョナサンには誰なのか分からない別の女の声が割り込んだ。
「それ、どういう意味よ?」
「あんたたち、本当のジョナサンを知らないんだ…」
「知ってるわよ」
「『ガリバー』しか読んだことないくせに」
「はあ?」
「ガリバーって何?」
「ほら、やっぱり」
勝ち誇ったような女の声はどこかで聞いたような気もするが、ジョナサンにはやっぱり誰なのか分からない。
「ジョナサンの――をいただけるのは、どうやらこの私だけのようね」
「何ですって!」
ジョナサンが目を開けると、女たちの姿はなかった。そして、ジョナサンは巨大な鼻になっていたのだが、そのことに彼自身はまだ気付いていない。
ジョナサンの怖い夢
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