ジョナサンの怖い夢

 メアリーの書きかけの小説を読んだ夜、ジョナサンはなかなか眠れなかった。目を閉じてベッドに横たわっていると、何やら言い争っている女たちの声が聞こえた。
 「何様のつもり?」
 「ジョナサンの奥様よ」
 ジョナサンには、その声の主が誰なのか分からない。
 「へえ、そう…」
 もう一人の女が笑った。やはり誰なのか分からない。
 「何がおかしいのよ」
 「彼の奥様だから、あんなに上手な“お話”が書けたわけ?」
 ジョナサンには誰なのか分からない別の女の声が割り込んだ。
 「それ、どういう意味よ?」
 「あんたたち、本当のジョナサンを知らないんだ…」
 「知ってるわよ」
 「『ガリバー』しか読んだことないくせに」
 「はあ?」
 「ガリバーって何?」
 「ほら、やっぱり」
 勝ち誇ったような女の声はどこかで聞いたような気もするが、ジョナサンにはやっぱり誰なのか分からない。
 「ジョナサンの――をいただけるのは、どうやらこの私だけのようね」
 「何ですって!」
 ジョナサンが目を開けると、女たちの姿はなかった。そして、ジョナサンは巨大な鼻になっていたのだが、そのことに彼自身はまだ気付いていない。

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このページは、かみ かずしげが2009年8月11日 04:07に書いたブログ記事です。

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