心地よいまどろみの中で、眠り姫は馬に乗った王子が近づきつつあるのを感じていた。ふかふかのベッドは、なぜかゆらゆらと揺れていた。
ぽっくり、ぽっくり。
禁太郎は、うとうとしている×××姫に近づいて、馬から飛び降りた。
「危ない!」
落ちていく自分の体が、たくましい腕に抱きとめられるのを感じた眠り姫は、ゆっくりと目を開いた。
「あなたは、どなた?」
「いやだなあ、禁太郎ですよ」
「……」
×××姫は目を見開いて絶句している。ヘッドスライディングで×××姫を受け止めた禁太郎は、何だか妙な気分になってきた。
「いてててて」
河童の姫が禁太郎の耳をつかんで、ずるずると引きずっていった。
猿と熊が、ひそひそと小声で話している。
「やっぱり人間の女の方がいいんだろうな」
「いつかはこんなことになるんじゃないかと思ってたよ」
×××姫は、離れたところに一人で座り、うなだれていた。自分の中に突然現われた眠り姫の人格を追い出そうとして必死で〔お祓い〕を試みたが、何度やってもさっぱり効き目がなく、精根つきはてていた。このままでは何もかも、めちゃくちゃになってしまう。
ピンクの豚がやってきて、×××姫の頭を吸った。×××姫の中から解放された眠り姫は、いそいそと空の彼方へと飛んでいった。すっかり元気になった×××姫は、さっそくピンクの豚と一緒にダンスを踊った。


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