その雲の上の地面に降り立ったときは、まだ夜更けだった。雲の中にかくれているのかもしれない城は暗くてよく見えない。酒場にもぐり込んでうとうとしていると、起こされた。
「許可証をお持ちですか?」
しばらく押し問答をした結果、Jは自分が誰かと間違われていることを知った。誤解をとこうとしても話がこじれる一方で埒が開かない。後から来ることになっているという二人の助手に会えば、人違いだと分かるだろう。
Jは外に出た。すがすがしい朝の光の中、田舎町のような城が山の上に見えた。城へと続いているらしい村の道をさんざん歩き回って、なぜか城には近づけない気がして宿屋に戻ると、もう日が暮れていた。
二人の助手がやって来た。二人はそっくりで、どっちがどっちだか分からない。Jは二人をまとめて「ハンプティ」と呼ぶことにした。後になって、なぜこのとき誤解をとかなかったのかと思い返してみたが、Jには、その理由が分からない。ただ何となく、この悪夢から目覚めることが不安だったような気もする。


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