禁太郎たちが林の中でキノコ狩りをしていると、突然、一頭の獣が狂ったように駆け出してきた。「猪だ!」と猿が叫び、「逃げろ!」と馬が嘶く。禁太郎たちは一斉に逃げ始めた。
このシチュエーションに心当たりのある方は、一連の凝った映像を思い浮かべてお楽しみください。適当なBGMを付け加えると効果的です。
その狂暴な猪は倒れて、もがき苦しんでいる。気味の悪いペラペラしたものが猪に纏わりつき、ぐるぐると高速回転している。
「何かに取り憑かれているようだな」と熊が言う。
この展開に心当たりのある方は、まだ何も思い浮かべず、もう少しお読みください。
それを聞いた×××姫が幣を手にして歩み出て、例の〔お祓い〕を始めた。すると、猪に纏わりついていた気味の悪いペラペラしたものは、ぐるぐると高速回転しながら退散して行った。猪は倒れたまま、ぴくりともしない。
「死んだのか?」と猿が心配そうに覗き込むと、猪は急に起き上がった。そして、身振り手振りで何事かを語り始めた。
――以下、×××姫が通訳する。
違います、違います。私は生きています。そして、猪ではなく豚であります。丸顔の少年、事情によって離れ離れになった、その丸顔を捜して旅をするピンクの豚でありまして。この山を、私が歩いておりましたところ、いきなり何者かが、背後から…。
――ここで、×××姫が、豚に問いかけた。
「矢でも鉄砲でも持ってこい?」
豚はぶるぶると首を振り、弓矢を構えるポーズと鉄砲を構えるポーズを何度か繰り返し、腕を組んで考えるポーズをして、頭上に“?”マークを浮かべた。
「矢だか鉄砲だか分からない?」
豚は、そうそう、それそれという身振りをしてから、後ろを向いて自分の尻を指差した。見ると、豚の尻にめり込んでいた透明な玉がぽとりと落ちた。
×××姫がその玉を拾い上げると、“矢”という文字が浮かび上がっていた。
このキャラクターに心当たりのある方は、適当なBGMに乗ってダンスするピンクの豚を思い浮かべてお楽しみください。
この様子を木陰から盗み見ている丸顔の少年がいた。それに気付いた×××姫が叫んだ。
「おお、あそこにいるのは×××ではないか?」
すると、ピンクの豚は頭上に“!”マークを浮かべてダンスを中断した。そして、丸顔の少年に向かって駆け出した。丸顔の少年は、はっとして逃げ始めた。ピンクの豚は丸顔の少年を追いかけて、飛びかかった。丸顔の少年は前のめりに転んで、ピンクの豚に押え込まれた。
これは感動の再会なのか、それとも…。次回、「ピンクの豚の得意技・他一篇」に続く。


コメントする