馬が話し終わると、すかさず猿がこう言った。
「じゃあ、次はおれの番だ」
――馬にまたがった猿は、次のように語った。
昔、ある山寺に、とんち好きな和尚さんがいました。この和尚さんには、残念という名の弟子がおりました。その名の通り、本当に残念な弟子でした。
あるとき、町まで行く用事ができた和尚さんは、弟子の残念に留守番を言いつけました。そして、和尚さんの部屋にある壷に入っているのは毒だから絶対に舐めてはいけないよと付け加えました。
和尚さんがいなくなると、残念は、さっそく和尚さんの部屋に入って、戸棚から壷を取り出そうとしました。すると、後ろの方から「見たぞー」という声がしました。
ぎくりとして振り返ると、障子の隙間から三匹の山猿が覗いていました。この三匹の山猿は、ミザル、キカザル、イワザルという、とても面倒な三兄弟です。
――ここまで話した猿は、急にクイズを出題した。
「さて、ここで問題です。『見たぞー』と言ったのは、どの猿でしょう?」
――そして、何ごともなかったように、話の続きを語った。
すると、残念は、ミザルに向かって「お前は何も見なかった」、キカザルに向かって「お前は何も聞かなかった」、イワザルに向かって「お前はこのことを誰にも話さない」と言いました。そして、三匹の猿に「いいな」と念を押しました。
すると、イワザルだけは「僕はそういうキャラだからいいよ」と言いましたが、キカザルは「僕は見たことを和尚さんに話せるよ」と言い、ミザルは「僕だって聞いたことを和尚さんに話せるよ」と言いました。本当に残念な弟子ですね。
――ここで、作者は突然あることを思い付いて、猿の話を中断させた。
「この続きは、またあとで」


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