地底一族の陰謀

前回のあらすじ)
 超昔、ある大陸で繁栄していた超文明社会は一夜にして海の底に没した。しかし不老不死の大王とその一族はシェルターの中で生き延びた。時が流れて普通の昔になったころ、地下宮殿の天井から、地上の声が聞こえてきた。

(主な登場人物)

ナー大王  地下宮殿の主
フー后 ナー大王の妻
サー妃 ナー大王の長女
マー王 サー妃の夫
カー王 ナー大王の長男
ワー姫 ナー大王の二女
ター王子 マー王の長男
ノー王 ナー大王の甥

 地下宮殿の中では、超発達した科学技術によって、地上から伝わって来た声の意味を既に解析していた。

 「どれもこれも支配者に対する悪口ばかりです」
 カー王の報告に、ナー大王が満足げに頷いた。
 「うむ。地上では圧政が続いておるようじゃな」
 「すぐに、やっつけに行きましょう」と、カー王が飛び出そうとするのをナー大王が一喝した。
 「馬鹿もんッ!」
 ナー大王がカー王に説教していると、サー妃がやって来た。
 「あんた、今度は何をやったの?」
 「姉さんには関係ないよ」
 「いきなり地上に出ようとしおったんじゃ」
 「まあ、何てことを」
 そこへ、フー后が助け船を出した。
 「もういいじゃありませんか。カー王も反省しているようですし」

 カー王が自室にさがって落ち込んでいると、妹のワー姫がなぐさめた。
 「きっと、お父さんはお兄ちゃんのことが心配だから怒ったのよ」

 ナー大王の招集で会議が始まった。
 「危なっかしくてカー王には任せられん。地上にはやはりマー王に行ってもらおう」
 「いやー、僕にはそんな大役は…」
 マー王が遠慮していると、マー王の幼い息子が言った。
 「パパは悪いやつをやっつけないですか?」
 マー王が言いよどんでいると、ナー大王はター王子に尋ねた。
 「ターちゃんは、地上の悪いやつをやっつけるのかい?」
 「ボクが行ってやっつけます」
 「そうか、そうか」
 ナー大王は目を細めた。

 しばらくすると、ナー大王の甥にあたるノー王がやってきた。
 「地上の声が伝わって来たんですって?」
 「もう知っておるのか」
 「さすがはノー王、耳が早いわね」
 「こういうのを地獄耳っていうんだよ」
 「地獄耳ですか。悪いやつは僕がやっつけます」
 「ちょっと、どうしたんだよ、ターちゃん」
 「カー王が余計なことを教えるからよ」

 「そう言えば、こんなこともありましたっけ…」
 フー后が言うと、みんながそのテーマに沿ったエピソードを披露しはじめた。何しろ不老不死で長年暮らしてきた一族だから話の種が尽きることはない。

 こうして、地上人の危機は回避されたのであった。

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このページは、かみ かずしげが2009年5月31日 18:30に書いたブログ記事です。

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