昔、昔、ある森に、シンドラとサンドラという双子の魔女がいました。
ある夜、シンドラが金貨を数えていると、魔法の鏡から、怪鳥の鳴き声のような笑い声が聞こえてきました。
「何や、こんな時間に…」と、シンドラが鏡を見ると、そこにはサンドラの顔が映っています。
「あんたの呪い、また解けてもうたで」と、鏡の中からサンドラの愉快そうな声が返ってきました。
「何やて?」
「あのアホにした何とかいう王子、元に戻りよった」
「えっ? アホ王子ゆうたらハンスのことか?」
「そやそや」と、サンドラは、ハンス王子の映像を魔法の鏡に送ってきました。
「あーっ。こいつ、いつの間に。下半身丸出しやないか!」
「そやから白馬を白タイツなんかに変えるなっちゅうたんや」
「なんや、この裸の女は!」
「隣の国のお姫さまや。ははー、おまえにも裸に見えるか?」
「よー見えとるで。素っ裸やん」
「そら、そうやろな。わしが作ったアホには見えん服、着とるんや」
「何やと!」
「見てみい、張り倒されとるで!」
「あー、立ち上がった!」
「押したで!」
「また押した!」
「押すだけかいな」
「アホやな、こいつ」
「アホや」
「もともとアホやったんかいな」
「そやな」
鏡の中のサンドラの声が消えると、シンドラはアホな人間どもから魔法で取り出した金貨をもう一度数え直しにかかりました。一方、サンドラは、今日の自分の活躍を魔法の鏡に映し出させて、朝までずっと見入っていました。


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