昔、昔、ある国に、新しい服が大好きで、馬鹿な王女さまがいました。
(中略)
ある日、世にも不思議な布地を仕入れたと街で評判になっている仕立て屋が、お城にやって来ました。
(中略)
さて、新しいドレスができたので、王女さまはよろこんで、さっそく試着しました。ところが、馬鹿な王女さまにはドレスが見えません。
(中略)
とうとう、パレードをする日になってしまいました。王女さまは、屋根のない馬車のお立ち台にのって、人びとが集まった街道を、隣の国まで、はだかで行進しなければなりません。
(中略)
どうやら、人びとの目には王女さまのドレスが見えているようです。あの仕立て屋の不思議な布地の噂は本当だったのです。
(中略)
ところで、隣の国に、ハンスという馬鹿な青年がいました。なぜか自分は王子だと思い込んでいて、白タイツ姿で日がな一日街中をうろついているのです。
(中略)
いつものようにハンスが街を巡回していると、隣の国の王女さまのパレードがやって来ました。
(中略)
「あーっ、王女さまは、すっぽんぽんの丸裸だー!」
ハンスがそう叫ぶと、集まっていた男どもは一斉に自分の頭をぶん殴り始めました。
一方、その声を聞いてはっとした王女さまは、お立ち台から素早く飛び降りて、ふらふらしながら群がってくる馬鹿な男どもをかきわけて、ハンスの元へと駆け寄りました。
「あなたは、ハンス王子!」
王女さまの一声で、馬鹿のハンスにかかっていた呪いがとけて、元の凛々しいハンス王子に戻りました。こうして再会をはたした二人は、しっかりと抱き合います。
「ハンス王子! 会いたかった!」
「僕もだよ!」と、ハンス王子が思わずモッコリすると、
「ハンスの馬鹿!」と、王女さまは思いっきりハンス王子を張り倒しました。
敷石に頭をぶつけたハンスが立ち上がると、その姿はまさに白馬に乗った王子さま。いつの間にか人びとが遠巻きにして固唾をのんで見守っています。
しかし、ハンスは再び馬鹿になっていたので、その場で王女さまを、押した!押した!
〔付記〕うろ覚えの「はだかの王女さま」を改稿・改題しました。


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