『刑事コロンボ/硝子の塔』の微妙な感じ

 来週放送される筈だった『溶ける糸』以降の放送予定が一週ずれたので、今回は未映像化作品(活字版)の感想を書く。しかし、大災害や大事故などの厄介な出来事と同じ扱いにされて、よくファンからクレームがつかないもんだな。まあ、そんな細かいことにいちいち目くじらを立てるような心の狭い人は野球ファンにはいないだろうから問題ないか。

 さて、本作の犯人は建築家。彼が設計した高層建築物が高く評価され、次期支社長の座に着くことも夢ではなくなった。ところが、過去の贈賄を副支社長に嗅ぎつけられて脅迫される。そこで、副支社長を殺害しようと決意する。事前に撮影しておいたビデオテープでアリバイを成立させる計画だ。実行時に予定外のことが次々に起きて、一応どうにか対処したけれども、まだ何か見落とした点がありそうな不安な展開だ。

 一方、コロンボの方も健康診断を十年間受けていなかったことを同僚に知られて追いかけ回されるなどトラブル続き。どこかで見たようなシチュエーションが随所にちりばめられていて、過去の事件への言及もあり、どうもこの世界は、いつもとはどこかが微妙に違っている。どうもこれは未映像化作品というよりもパスティーシュのようだぞ…。そんなことを思いながら読んでいると、

「見るだけじゃだめだよ。野球はやらないと。ほら、いくよ」

と、コロンボがボールを投げてくる。そんなことを言われてしまうと、見たり読んだりしているだけでは好き勝手なことが書きづらくなってしまうではないか。そんなわけで、この作品が映像化されたらどうなるかと想像しながら読んでみることをお奨めする。終盤からラストシーンは結構いい感じになるかもしれない。

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このページは、かみ かずしげが2009年10月10日 20:30に書いたブログ記事です。

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