『刑事コロンボ/黒のエチュード』の余計な台詞

 NHKの初回放送時には、放送時間の都合で大胆な編集がなされていた。DVDや今回のBSでの放送でそのカットされていたシーンが復活しているのは、大変興味深いことだ。日本語吹替えのコロンボの声が急に変わるので、初めて見る人にも「ここはカットされていたんだな」と大体分かるだろう。(*)

(*)しかし、今回の『黒のエチュード』に関しては、少々事情が異なる。もともと75分版と96分版の二つのバージョンが製作されていて、NHKでは75分版をベースに編集した(と思われる)ものが放送され、日本テレビに登場したときには96分版がベースになっていた。その後の放送では、ずっと96分版ベースのものだけが使われているようなので、初回放送時にどこがカットされていたのかを判別するのは難しい。
 96分版を初めて見たときには、「カットされたシーンがこんなにあったのか」という驚きがあった。なくてもいいシーンが多くてテンポが悪い。しかも、台詞がかなり違っている。コロンボの犬の名前について少女が放つ「あきれた、馬鹿みたい」という一言が現代風に改訳されていたのは笑えたが、ラストの一連のシーンで犯人が余計な台詞を口にしていたのにはどうしても納得できない。その余計な台詞のせいで犯人の人物像がかなり違ってしまうのだ。後に、DVDのボーナスディスクで75分版を見て、やはりこっちの方が出来がいいと再確認した。この75分版が放送されないのは残念なことだ。

 今回の犯人は、オーケストラの指揮者。コンサートの直前に愛人を自殺に見せかけて殺害する。そのコンサートのテレビ中継を聴きながら犬に注射する獣医と心配そうなコロンボ。そこへ電話がかかり、コロンボは犬をかかえて現場へ向かう。獣医が提案した「ファイド」という名前は少女の一言で却下され、その犬はその後も名づけられることなく「犬(Dog)」と呼ばれ続けることとなる。事件の方はあまりこみいったところがないので、犬の初登場やコロンボがピアノを弾くシーンを存分に楽しむことができる。

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このページは、かみ かずしげが2009年9月26日 20:30に書いたブログ記事です。

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