そうだ、「そうです」に変えてみよう。

 ニュースを聞いていると、時々気になる表現に出くわす。

 たとえば、著名人の訃報で、「○○日に亡くなっていたことが分かりました」という言葉を聞くと、死亡してから遺体が発見されるまでに放置されていたのかと想像してしまう。もちろん、遺族の方々が公表を控えていただけなのだろうと、すぐに思い直すのだが。

 「○○日に亡くなっていたことが分かりました」という回りくどい表現を選んでいるのには、何らかの理由があるのかもしれない。「○○日に亡くなったという情報が今日(または昨日)公表されました」では長いので、それをコンパクトにまとめたのだろうとも思う。しかし、それならばもっと簡潔に「○○日に亡くなったそうです」と言えるのではないか。

 「亡くなったそうです」と言ったとたん、ニュースの信憑性が落ちるような気もする。しかし、この場合は、事実を正確に伝えるには「亡くなったそうです」が最適ではないだろうか。「亡くなった」と断定できるのは、死に立ち会った人(厳密には死亡を確認した医師)だけで、そのことを伝え聞いた人たちには「亡くなったそうです」としか言えないはずなのだ。

 こう考えると、スタジオでニュースの原稿を読んでいる人には「○○したそうです」としか言えなくなり、その時その現場にいて出来事に立ち会っている人だけが「○○しました」と言えることになるだろう。

 このような表現の区別をニュースを伝える側に求めても、すぐに改善されるとは思えない。ただ、自分の頭の中で表現を置き換えながらニュースに接することだったら簡単にできる。こうすると、ニュースの信憑性というものは、これまで思ったほど高くはなかったのだと分かる。

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このページは、かみ かずしげが2008年11月 9日 12:31に書いたブログ記事です。

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