(その1)オレオレ詐欺の場合
「そうかい、そりゃ大変だ。よっしゃ、すぐに振り込んでやるから安心せい。ああそうそう、そういえば、さっき還付金がどうのこうのと言う電話があったんぢゃった。大丈夫。ちゃんとメモしてあるからな。今から言う通りにすればいいから。還付金は全部お前にやるからな。遠慮せんでもいいぞ。何、金額が足りない? 何を言うとる。還付金なんぞ毎日のように電話がかかってきとるんぢゃ。何も心配いらんぞ」
(その2)還付金詐欺の場合
「そんなことより、あんた。実はついさっき孫が大変なことをしでかしてしもうてな。すぐに振り込んでやらにゃならんのですよ。あんた、今から言う口座に
振り込んでやってくださらんか。とりあえず全額。いいからいいから。本人がいいと言っとるんぢゃから。えー、もう、これだからお役所は。あんたじゃ話にな
らん。責任者に代わってくれ」
(その3)架空請求の場合
「そんなもんわしゃ知らんぞ。さては孫の仕業ぢゃな。あいつにはいつも手を焼いとるんですよ。つい先日もな、何とかいう外車と衝突したとか言うて泣きつい
てきおってな。せっかく入ると思うとった還付金を全額な、無理を言うてわしの代りに振り込んでもろうてな。いやあ、その係の若いのが融通のきかんやつで 。押し問答してやっと責任者に代わったと思うたら、そいつがまた頭のかたいやつで、何のかのと小一時間もかかってしもうたが。そのあと、孫からも還付金
からも電話がかかってこんから、おそらく丸く収まったんでしょうな。孫のやつときたら、それっきり礼のひとつも言うてこん。まったくどうなっとるぢゃろうな。このごろは役所
の連中も、強制執行に来るぞ来るぞと言うて、来たためしがない。年金暮らしの貧乏人ぢゃから、ろくな家財道具もなかろうと思うて馬鹿にしおって。値打ちもんなら
腐るほど持っとるぞ。霊験あらたかな有り難い壷が大小あわせて十五六個。しめて二三千万の値打ちはあるぞ。全部置いておくにはちと手狭になってきたんで、おた
くで何個か引き取ってくださらんか。これも何かの縁ぢゃから安くしてさしあげよう。どうぢゃ、悪い話ぢゃなかろう」







コメントする